ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 旅人へ贈る歌

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1928] 旅人へ贈る歌
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


季節(とき)は流れ流れて時を駆ける旅人はまたこの旅立った始まりの場所に戻る

あの日旅立った日のことを想いながら
ふと瞼閉じて顔を伏せて涙キラリ光る
輝きを胸にいつも秘めていればどんなに苦しいときも歩んでゆけるんだと僕の腕をつよく君が握ってくれたんだよ

時がやがて僕らを連れ去りさらってくその日までには
きっときっと今僕らを一番悩ます疑問にも答が出る
そんな気がするから
きっと頑張れるのさ
だから輝いていてねとつぶやく君のそのやさしさに涙あふれる
そして夢が通り過ぎて歳をとって遠いはずだったいつまでも遠いと思ってた日がきても笑いあえる
きっと幸せなはず
笑って旅立てるそんな終わりならば僕はステキだと思うしいいと思う

君のその言葉のかけらをつなぎ合わせて重ねてみて出てきた答が僕の思い描いた明日と違ってもかまわないのさ

揺れる揺れる陽射しのその中でかげりをひそませた旅立ちは別れを惜しむだけの歌にはならずその別れさえもまばゆい光を放つ希望にして新たなこれからの旅立つ自分に送る歌にして旅立つ明日が輝きに満ちた明日になるように
どうかまばゆいものであるように空にこの胸に描きながら
今はまだ見えない言葉にさえならぬ想像の中だけのこの思いを未来に送り届けて
そっと僕は今日という日を終え眠りに落ちるときに明日の僕にあずけるようにそっとバトンを渡すみたいに投げるんだ
そして明日になったなら昨日の僕からゆずりうけたその想いをポケットにしのばせたたまま歩き出す
なくさないように
大事にしまい込みながら未来へと持っていくのさ はるかな時を越えた時空の空へこの想いは続いてく
明日そしてまた明日への僕へとつないでいくようにこの大事な想いを落とさぬように いつまでも
ずっとずっと真っ白な季節から暖かい春まで同じ気持ちで僕という旅人は揺るがぬ想い

2007/12/25 (Tue)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -