詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
命果てるまでせめてうたわせて
いびつに首の垂れたこの身体に
いびつに折り曲げたこの心に
瞳閉じ視界が闇に包まれ 僕という命を終わらせるまで今まで生まれてきたときから生きてきて今までに至るまでのこと少し思い出させてよ
それくらいの時間をくださいと言った
すごみのある愛ならばご容赦
人なつっこい悲しみを愛せるわけもなく
ただ蒼い運命という名の海に沈んでゆくだけさ
歌い続けて
歌うことを続けさせて もうなにをしてもどうにもならなくなるまで声と命の続く限りせめて歌わせてくれ
この張り裂けそうに胸を埋め尽くす想いのすべてを歌い尽くせるまで、歌い尽くすまで
どうか歌わせてくれ
変わらぬ声
年をとっても愛し愛されるこの声で歌わせてゃ
くるったようにでもいいどんな風に見られようがかまわないなんと思われようが知ったことじゃないし気になんかしないから歌い続けたいのさ
あぁあ…
いつまでも
それは嗚咽のようにも聞こえたし
年をとり日々衰えていく現実にむしばまれてゆく自分への慰めと宥めるための歌のように私の胸に響き悲しい歌のようにも聞こえたんだ
でも歌えることでの喜びにも思えるような歌にも聞こえたんだ
その歌声は
僕はそう聞こえたんだ観客がいるわけでもないスポットライトもカメラもない
けれど君は僕だけのマドンナ…歌姫
僕は君のためにここにいて
ふたり見つめ合う
少し君の目に涙
マネキンじゃない涙
大丈夫だよ
僕がずっとずっといつまでも変わらないまなざしで 変わらない態度で変わらなく耳を傾け君のすばらしいと思う歌のすべてに声に僕は一生の時間いっそこの命すら捧げるよ永遠に誓うよ この愛を
遊びじゃないまじめなこの思いを
手をつなぎ時を忘れともに同じ悲しみ感じ傷みを分け合い悲しき舞台の上で愛のダンス 孤独じゃない互いのぬくもり
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