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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2023] 季節はゆるやかに
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


訪れる季節はいつも通り過ぎるためにあるかのように目の前をただ静かなまでに流れていくよ

サラサラ 砂時計の砂が流れ落ちるようにゆっくり 時に終わってしまえば後にはただほろ苦い後味のようなせつない名残と終わったが故の早さに惜しむ気持ちがあるだけさ
あるだけさ

季節はいつもゆるやかに流れていくとは限らない 決まってないけれど だけど
なにか特別で大切なモノに気づかせてくれるためにいつもそのために訪れるんだと風は教えてくれる
僕もそう思うんだ
何気なくさりげないやさしさが形のない色で心を染め空っぽにするためにたまには感傷にひたりなさいと遠い昔を忘れないようにもう一度振り返ってみろよというように吹き抜けてゆく 感覚に清らかに頬を流れる水 心からの涙
この世でいちばんきっときれいな涙さ

流れるように 川を泳いでく葉っぱの旅人になって
遠ざかるようにときには明日へ羽ばたく鳥になる
時の川はサラサラ
下流へ僕を川上からはこび流すんだ
秋ならば椛がきれいだな 冬ならば白い雪が雪解けの春を待ちながら 早くも早春の芽吹きをうながす様に声を潜め
静かに川(せかい)のせせらぎに 街にでて木々のざわめきや鳥のさえずりに
ただ僕は時間を止めて息を整え安らえて自然の音や永来変わらぬ摂理を持つ時の流れに耳をかたむけすましてた
すましてたの

後はただ静かにその流れに身をまかすようにいつかくる終わりを思い 救いの希望を見いだすように天女の羽衣のような眩(まばゆ)い光をまとい できるだけ想像できる限りで夢をみ明日を夢みるただの人に返るだけ
目覚めればまた明日がそこにあるだけ
明日という今日をまた今日も生きるだけさ
なんの不自然さも違和感もなく 苦しみを脱ぎ捨てて
そう終わりという時を迎えるまで 何回でも目覚めを繰り返して 繰り返すだろう誰もが繰り返すだろう。

2008/01/13 (Sun)

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