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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2089] 見えない扉
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


そこに何かが見えたならそれは新しい物語の始まりさ 洗いざらしの新しい朝にそう思った まだあどけない冬の薄暗い空が僕にやさしい風をはこんでくる 言葉もいつもよりもこんな気持ちいい日なら弾むのにな
なんてまた新しい言葉浮かび忘れてゆくそれより前に浮かんだ言葉を打ち消してく
さよなら 昨日という今日の日の僕よ
永遠と消えないように刻みつけて忘れた言葉も不思議ときらめき出しては切り捨てたはずの僕に笑いかけてくるよ いいよと許すよ 涙のひとつも流さずに…かわりに僕が涙流して気づきゃ泣いていたんだ 泣いていたんだ
ごめんねと繰り返すその言葉にもう何ひとつ嘘はない
また切り捨てるときもそんな思いで切り捨てるよ 本当は惜しいと言葉如きになんて言わないから
だからこれからもよろしくね

僕をその言葉で励まし元気を分け与えてください いつまでも いつまでも
見えない扉開け放した先になにが待っててもなにも待ってなくても僕は変わらずどちらにしても笑顔を浮かべられるから もう泣かないで受け入れるよ
また始まる今日を、どんな今日だとしても幾度朝がくるたび開くのは見えない扉
当たり前なようで当たり前じゃないみたいなとても曖昧な世界の決まりをそれも当たり前のように受け入れているしかない僕のこともみんなの気持ちも少しはわかってくれるといいな。

2008/01/28 (Mon)

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