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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2097] 夢をみさせて
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

同じ柄のネクタイなれた手つきもお手のもので両手をつかって締めて
建て付けの悪い引き戸を引いて出かけるよ
今日も

たくさんの夢に動かされながらも何か迷いから抜け出せないかと考える 頬杖ついてうーんといい答が出るまで晴れ渡りはしないさ 心だけは
見上げた空がどんなに晴れていたって

ただ楽しい夢をみさせて きらめくことができる術を教えて
楽をしてまでも得た生活は 大変だってことは知っているさ

たくさん たくさん
心にあきれ果てるほど思い描いてみよう
生きている間だけさ
こんなにもドキドキする気持ちでいられるのは もう他にない

もっと もっと
もっと 夢をみていたいよ
楽しい夢を誰だって気楽にこの場所でみたいのさ
くり返す生活の波が押し寄せてきた
僕を明日へと誘うためにさらうように
表情もなく笑いもせずに気付いたら夢の中
また変わらない日常の中へ戻るのさ
放り投げられるように布団からずり落ちさせられる母ちゃんのあの鬼のような顔が懐かしいな

ペラペラマンガみたいにオモシロくない
味気ないありきたりなありふれた構図の中でペンを回し紙とにらめっこ まるで売れない頃のマンガ家だね 誰もが'こんなはずじゃなかった'なんてつぶやいては溜息をこぼす
そんな毎日を未来だとよぶにはあまりにも勇気がいりすぎて
僕は勇気を出せなくて
もちろん言えなくて 泣く泣くひっそりとそんな暮らしに収まるより仕方ない
なれるかなあと思ったりしたけど案外すめば都じゃないがくり返すうちにイヤなことでもなれさえすれば苦にも思わずなれてるもので
気付いてみればこれが夢みてた未来とは似ても似つかない未来だけど生きがいになっていた 今は小さな生きがいだけどいずれ大きくなりそうな気がしてんだ 理想ばかりが正しい姿だとはどうしても思えないあの頃の理由主義者の言葉とは思えないネ。

2008/01/29 (Tue)

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