詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
安らかなメロディーがいま胸を埋めつくし
代弁者が聞こえていると僕に告げながら
時の足音に僕もそう言われたから仕方ないなと耳をようやくすましてみる
答なんてでもそこにはその中には少しもわずかも存在しなかった 見えなかった
ありはしない答に惑わされてあたかもあるように安らいで偽りの安らぎの中で僕は満たされてしまっていた もう遅いけれど
ああこの思いは届けるに値するかな明日の僕に声だけでも伝えたいと声帯いじってちょっと厳しいめくるめく様々な声色でこれでもうまくやってるそうさと自信だけたっぷりと歌う 歌うさ 今という今を
ただ今という今を
明日も歌うさ
歌ってるさ
街から街へと渡る風になっていつか帰るのかな僕も あのあたたかさの中に
またもう一度帰れるのかな 頭の中で懐かしくああ時々現れては僕をおびやかすこの不安の影と今ではもう時代遅れになっちまった古くさいこの歌とともにいつかあきらめてあきらめて僕も葬り去られるのか 僕という僕の瞳の中に映るそれぞれの明日がつきる頃に なくなる頃にでもこぼれ去るなみだも拭いもせずにまた駆け出す僕は相当のばかだってことも知ってはいるよ
知ってはいるけど言葉にするのはなんだか不思議と忍びがたくて ただそれだけさ ただそれだけ 見つからない終わりを捜してたのかもな 僕は見つからないというのにないものをどう探せたというのかな 笑っちまうな 今となっちゃ過去の失敗はすべてが笑い話さ 笑い話にもできるくらい悲しいほど遠い時間なのさ
同じものは何ひとつとしてない遠くなった思い出という記憶でしかないんだよ
だから安らかなメロディーには似たものはあってもひとつとしてないから 同じに聞こえるはずもないし聞こえないくらいなんだから見えるはずもないから違うというキミのその言葉を裏返したり反論することは不可能なんだもはやどうにも無理っぽい
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