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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2261] 世界の横顔
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]

あなたの心の奥に今も広がっている景色は
とても懐かしい過去という通り過ぎた記憶
思い出の中の様々な場面が惜しげもないほど見える 雑多に日々増え続けてゆくたくさんの苛立ちと迷いの中で
僕らは悩みを抱える
通り雨が去ったあとの静寂のような歳の取り方はしたくない
限られた時間の中を吹き抜けてゆくそよ風になりたいけれど
忘れゆくいくつもの場面よりも多くの悲しみを残してきたままぼやけてにじんでしまった今では見えないもの ふれられないもの多すぎるから

手を伸ばして
ずっと どこまでも
それでも それでも
届かない手がある
届かない時がある
ずっと どこまでも
思い馳せてもかえりたいとどれだけ願ってもいくら念じてみても もう抱きしめられもしない横顔がある それは遠い過去という横顔 もう戻らない 戻れない道を今も僕は明日もこうしてなにをどうしたってかえれない道を 後悔を何度過去に残してきたって無理なものは無理なのさ そうしてまた一歩また一歩と前に進んでゆくしかないから 日々が少しでも輝きへと向かうように 向かってゆくように今はただそれ以外仕方ないと割り振りながら無力なわけじゃないさと自分をなだめるように手を伸ばし目覚めた両手に朝の光こぼれるほどつかんで明日にばらまけ 空も海も全て輝かせて 目に映る世界の横顔を瞳にとらえ 振り返ってもただ果てしない闇が広がってゆくだけ だから涙を流してしまうんだな 人は自分までも傷つけてしまうのかな 悲しい苛立ちや迷いで心を崩しながらうなだれくだけた腰をあげたら きっと見上げる瞳にはまばゆいばかりの明日が待っている きっと見えるはずなのさ 必ず見えるはずなのさ 遠くで手を振る僕という僕いくつもの記憶の映像が流れてく だんだん遠くなる景色やがて見えなくなり嘘みたいに消えてく後にはただ絶え間ない月日が同じ様に続き何度も繰り返されるだけさ。

2008/03/01 (Sat)

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