詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
生きてる限り
生まれた限りは
繰り返していく日々
誰でもない僕が繰り返していく日々
なにもなくても良かった日々
様々な日々を繰り返しそのたびに何かをなくしてきた
今日だって何かをなくしたんだろう
僕は気づかない間に
何かをなくしては人はその愚かさに気づくんだ
誰でも人生の終わりに涙しない人はいないさ
人生の途中でいやんなって首をつる人もきっと最後には最後の涙を流すはずさ
一つ一つの日々を
まるで命を紡ぐように
ただ僕は目の前にあるものだけをこなせばいいと思ってた
見えないものにいつだって怯えて
いつからか僕は大切な何かを見失っていたんだろう
遠ざかる悲しみが
二人をどれだけ遠ざけても
さよならは言わないから
そっと手を振る帰り際にそっと胸にしまった涙は思い出の中にしまっておこう
僕が去り際に
君の言葉をさり気なく何気なく飲み込むのさ
この瞬間で君は幻になる
もう永遠にあうことのない背負うものが違うから
僕は僕の道を
君は君なりの人生を
歩んで行くこの別れに何ひとつ嘘はなく
それはただ僕という君というひとりの人間としての始まりと終わりを分かつための小さくて静かな了解さ
夕陽の沈む思い出の中
記憶は二人の影を遠く僕に見せている
それははるかなおとぎ話 遠いあの記憶の1ページさ
しおりを挟んでも
もうその先までこの物語は読むことはないから
このまま捨て去る
記憶は過去に流れそのまま忘れよう
これが僕に与えられたはるかな記憶からのささやかな傷跡の小さな恋の後遺症さ。
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