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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2356] 春の記憶〜spring・mmemorial
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

通り過ぎてく たくさんの思い出
まるで静かな 終わりにでも奏でるメロディ

夢のような 幻にも似た まるでそれは 深海の様に 宇宙の様に

産まれたままの姿になり飛び立つ鳥の影 想いとはまるで違っても同じ匂いがする

始まりの春のさわやかな風のようでもあり また日干しにした洗濯物のような安らぎに満ち満ちたやさしい匂い その中で駆けずり回る無邪気なまだ幼い記憶の中に残る笑顔のふたり
いつものようにいつもの通りに終わりも今日のような穏やかな日なのかな それならばそうだと良いなあ

心の中の旧型の古い映写機が突然ひとりでに動き出し瞳のレンズを通して ピンぼけで映し出す映像(けしき)
頭の中の記憶という記憶を巻き戻して
数ある記憶のテープを再生していくよ
どれも懐かしいけど今ではもう戻れないから観る景色観る景色 思い出すたびにいろんなエピソードが蘇り涙を流さずにはいられないけど
あの君の あの僕の笑顔は最高だった
きれいな思い出は悲しいだけじゃなくその時の喜びまでも抜かりなく記憶できる唯一の貴重な記憶さ
もちろん思い出すたびに全てが全てに良いところや違いがあってその全てに異なる輝きがあるのさ
だからどんなに形に残るものや下手な宝石や金よりもずっと心に残る一生の宝物

それは春の記憶 それが春の記憶

あの日この瞳で記憶し録画して見えない頭の中のテープに収めた人には絶対残念にも見せられない とびきり貴重な自分だけの映像作品さ
これからも少しずつ増えていく その記憶は過去になりすぎたら 遠くに来すぎたなら 巻き取り またはじめから観ればいい 少しだけ…だいぶ…かなり色あせぼやけてるけど古いのだから当たり前さといいながら強がる 何度でも何度でも思い出すたびそれは鮮やかに蘇り記憶を埋め尽くし厳かなまでに再び僕の心をその日の純粋な瞳に返しあの日に連れて行く。

2008/03/20 (Thu)

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