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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2371] 拳にこめた誓い
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

あのころの僕らは揺るぎない希望を背負っていたよね
今じゃとても考えられないくらいのやる気と根気を抱きながら
あの威勢はどこへ行ってしまったんだろう
行方は知らないまま
今もあの日と同じ道を歩いている
その続きの物語の途中
こんなに歩いてもまだ読みかけなんだ
全てを知るにはまだまだ人生としては歩き足りないかな

夕暮れの色に染まった空の下で
今日もまたさよならの歌を唄うのか
眠りにつく前にはさんだ栞は今もあの日の思い出を残像のように僕の心の奥にしまわれてる 大事に

思い出は大切に保管するばかりじゃだめさ
時々は眺めてみるからこそ楽しい
今ばかりを見つめていたんじゃ悲しいよね
埃をかぶったままで 山積みになってる新しい思い出の中に埋もれた過去は今 輝いて

僕をやさしく照らしてくれるんだ
いつだって共にいた あのころの日々
僕はそんな光にも負けない男になるよ
そう誓った拳には力が自然とこもる

『ありがとう…』過ぎ去る日々にも 強がらないで素直にそう言えたなら きっと無駄にはならないね
強さは昔を踏みつぶして無理をして忘れる事じゃなく
今や明日を瞳に映して見つめながらも
ちゃんと心の中に消えない過去の輝きを絶やさずに溢れさせてゆく事 それが強くめぐり来る明日やを一度しかなくもう戻らない今この時を歩いてゆく勇気なんだと思う
その光があればどんなつらい出来事にも立ち向かえるさ
涙も踏み出してゆくときにはぬぐい去り 過ぎ去ってゆく日々
遠ざかってゆく時間 変わりゆく時代
その中でどれだけ拳をかためた思いにこたえられるかがきっとこれからの僕の生きるささやかな力の根源さ
それがある限りは負けなしの日々さ 僕は誰にも負けないくらいの夢を勝ち取るよ だから踏み出すこの一歩はやがて夢をつかむまでの数歩にも値する そんな夢みながら今は今で目をつむる。

2008/03/23 (Sun)

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