詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
ぼくはなにを思いこれからを歌うのかな
ぼくは今までなにを思って歌ってたっけ
なにも考えずなにも思わずただぼんやり
空を眺め可能性さえ面倒だと逃げていた
そんなぼくには誰かのことを棚に上げて
自分の罪を隠すような真似は許されない
泣きながら歌う唄
口ずさめば自然に不思議と頬をつたう冷たい悲しみの雨
笑いながら歌う唄
歌いだせば晴れやかになって 不安の雲さえどこか消える
ぼくはぼくを高めるため生きてきたんじゃないのかな
ぼくはぼくの為に生きることさえ面倒と思うくらいに
ぼくですらぼくをどうでもいい存在のように思うかな
すべてがすべて終わったあとで
空はいくらでも眺められるのに
まるで今じゃなきゃだめなような言いぐさでなによりも楽で安全圏なほうを選ぼうとする
変わらない思いはいつまで経っても変わらない思いのまんまでここにあり続け
ずっと夢みてた理想の未来は夢みるだけ夢みてあとは危うくなればすぐに無謀だったとあきらめた弱いぼくの負けだ
苦しめ続けられる日々にさよならしたらもう資格ごと捨てたのも同じなのに何ひとつためらうこともなく大手を振って駆け出す 逃げ道という名の道の上を屈折した未来へ向かって
この先どんな未来だって夢が叶わない未来ならば そこで日々を繰り返し生きてる意味さえなく思えてくる 目に見えるようなため息が物語る退屈な日々の連続が垣間見えるから
ぼくは本当のぼくとひとつになってこのまま重なり合いたい
せめて歌わせてほしい
あのなつかしいがむしゃらに走れていたころに歌ってた唄を
高らかに 誰にも気を遣わずに大きな声で伝えたかったんだ こんな風に 一人きりでならいくらだって歌えるのに
こんなにも空しいのは何故だろうか 孤独な空に途中まで見えていた行き場を見失って このぼくの足は次の行き先すらもぉ分からなくて。
[前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -