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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2440] サーカス
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

惜しみながら折り畳んだ今日という一日を
大事そうにポケットの奥深くにしまったら
今度はまた巡り来る明日の準備をするんだ

今日の事も上手くままならないまま
それなのに それなのに明日はやって来る
もう二度と戻らない今日という一日
密かに抱きしめていた思いも幻と消える
笑えもせずに手を振る僕でいることに疲れ果てたけど
昨日までの僕とはいろんな事情からなにかが大きく違うんだろう

溜息ばかりついて
なにが楽しいのかな
縛られている身体
閉じこめられている
所在も解らぬ自由
そんな中で流れてく
日々はいつだって
悲しい風を僕に吹かせている この胸に

今、感じてる絶望くらい走り出したときにはそれが全て希望だったのに
なぜ、いつのまにかこんな絶望を僕は感じているのだろうとふと気づき

笑顔も失くしてた

悲しい夜が音もなくただ、砂時計が終わりに落ちてくように早足に急ぐ 時間だけがこれ見よがしに
逆さまにすればまた始まる新しい今日、砂時計の落ちるまでのわずかな一回きりの命をふるわして涙で湿った砂を今日もまた落ちきった今日の分の砂時計を確かめたら逆さまにして皮肉なくらい当たり前に始まる今日に身をゆだね 生きるのさ

憂うつな気持ちを今
空高く投げてさ
妙に人気のないサーカスは始まる
昨日と変わらず過ぎ行く時間を惜しみながら。

2008/04/25 (Fri)

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