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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2446] 屋上から地下へと行く階段
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


胸の中でくすぶってるたばこを今もみ消したなら
今すぐ君の元へ駆け出して行くよ
着の身着のままでなりふり構わず

高い屋上から地下へと下るために
エレベーターなんてわざと使わないのさ
鳥のように羽を広げたならば 君のために作った歌を唄いたい

渾身の思いで綴る愛の恋文
悲しいのならばその悲しみをぶち壊しても
君を手に入れたいという必死の思いを伝えなくちゃ 伝えるんだ
逃げ出すなんてもってのほかさ

流れる涙は走っている景色の中にそのうち
走ってれば乾いているさ 振り返ってみないとわからないけど涙の粒が遠ざかる景色の中で光りながら宙を泳いでる
知らんぷりすればそれで良いのさ
悲しい気持ちになるのはきっとなにかを知るために僕らに与えられたものだと信じて
切なさという感情があるのもすべて必要だから僕は拭えない感情を抱きしめている
片手に握って持ったまま 離さないのは離せないんじゃないのさ

足が麻痺しても 頭が脳味噌のない分重くたって
さびしい心と悲しいワケを持つ僕なればこそわかるんだと君にいちばん言いたい

おそれずにゆこう
その先に待つものを追いかけてる僕を無様だと笑うな
すんでのところで助かったなんて死んでもイヤなのさ
いくつもの言葉に守られたり逆に守ったり
なくしそうな声を拾い集めながら 今も同じように

いくらだって変わり行く世界だとしても
置き去りにした思いはそのままの形で伝えたい 汚れを隠すことは事実を無にすることと同じになるのだから
僕は何ひとつ包み隠さずに話したい
たとえいずれ
その嘘で隠したいつかの壁の向こうへ
見えない自らが作り出した幾重にも続く壁を叩き壊すよ
傷つくことももう恐れない 逃げ道はない

両足を順序よく
リズム感などとれなくても良い
ただそこに真実の音があれば それで良い 君は

2008/04/26 (Sat)

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