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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2453] 存在の濃度
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

空の彼方に見えた
小さく光る星
まばゆく輝いて
二人を照らしてる
名前さえ知らない
ただ綺麗な星

その中で一番 輝いてるひときわ目立っている星もあれば
目立たずに控えめに光る 目立つ星を目立たせようとしている星 決して自分からは目立とうとしない星
頭の上を流れる天の川
銀河をわたる列車も見える

幾千もの時を旅する
旅人になってこの広い世界でまだ見ない夢のような世界を見てみたい そのために存在を光らせて 目立つ必要があるのさ
誰かの光を遮ってまでも光りたいと思う気持ちは本当だった

けれど小さく輝く事で誰かを照らすのも良いかと思えた
そして小さく光るあの星はいつかの一番光りたいと願ってた僕でもあるんだ

存在の大きさを今
小さくても良い
輝かせるのさ 僕なりに
存在を知らしめるものは名前の知れ渡る数じゃなく顔の広さでもなく きっと自分なりの輝きを手に入れること
つまりは自分の中で自分が満足できるための大きさならば
それが正しいのだろう
それは合っているのさ

答なんて何処を探したって何処にもないのだけど
きっと自分の中いつか生まれる
自分の中にある光の種で咲く花
今 夜空を埋めつくす いつかの瞳の中にまばゆくそれは映る
咲き誇るように
ゆっくりと急がない僕でいることが出来たならば咲くのさ
ゆっくりゆっくり
自分の歩く速さに合わせて花弁は花開いてゆく

それが きっと きっと 存在の濃度
それが きっと きっと 存在の証

此処に そこに 居る
此処に 確かに 居た

それをあらわす輝きがその証で
1つ1つ身体に刻まれてる標(しるし)さ

きっとその花が咲いたなら素敵
全てがきれいごとですまされ なってしまう前に変えるのさ 絶対的な事も
いつか全て過去になっても僕は忘れないから貴女と此処にいた事を。

2008/04/27 (Sun)

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