詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
破れかぶれで始まった僕らの旅
一日中びしょ濡れのダンボールにくるまって
ホームレスのように過ごす
ひとつの地点から
飛び散ってゆく幾人もの人たちが作り出す先の見えない自由だからこそおもしろいどうなるか全く皆無の未来
間合いとメロディに合わせながら
歌うのは懐かしいフレーズで頭から歌います
近未来的なイメージ
すべてぶちこわしさ
あの日頭の中だけで思い浮かべていたのに
無意味になったイメージ
その瞬間にはじけ飛んだ七色の虹の吊り橋に手を水平に広げ落ちないようにゆっくり進む
またがっている
野次馬も同じコウモリ達 それをはやし立てる小鳥の合唱
なにもおそれずに
カッコつけた若者も僕にだけは勝てないらしい
苦手なだけで食べようとしない食わず嫌いを背負って大人の仲間入りをした名前だけの仮大人
眺めのいいだけのたいして値段も高いわけでもやすいわけでもない僕が選んだカフェテラスで僕と絶景を眺めながら
夜になれば星々が綺麗にまたたいて君の言葉をさらっていく
少し踏ん張ってぶちまけた言葉はやがて
僕に悪態をつく君の「不味いわね」の一言で選択ミスと雑誌の大げさなまでの情報をうらみにうらんだ僕
美味いからと行ったものの情報とは違い必ずしも一致しない事を伝えるように
不器用な旅は教育番組のセット
等身大のジオラマと野蛮な円盤レコード
君の後ろの傘立てとそれにささった古びたアンブレラ
いま 雨はふたりの心を青く染める
蝉時雨 軒の下 逃げ込むふたり
仲を違えて帰り道は最悪なまま終わる
明日の僕らは何処にいる
明日の僕らはどうなってる
早く知りたいんだ
早く知りたいだけ
早く知りたいんだ
早く知りたいだけだ
とにもかくにも
その答を
カフェテラスにて
帰った道を辿るようにいたたまれなくって引き止める雨傘のなか。
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