詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
それぞれの持つ愛はあまりにも濃すぎるからね
それぞれが持つ気持ちで割らなくちゃ
それも同じ分量だけで割らなきゃだめ
君が僕に向ける愛と
僕が君に向けた愛は
少しばかり違うけど
基本原理は同じって事で許してもらう
シェイカーでカクテルを作るみたいにさ
よく振って愛をちょうどいい具合にする
君が僕にくれる愛はいつでもなんだか重すぎて逆に弱る
大切なはずの愛がよもやはた迷惑なものにならないように
ちょうどいい感じに仕上げよう
そのために いま
君の愛と僕の愛
そのふたつを心の中で振りまくって混ざり合って やがて出来たちょうどいいその愛を僕らのこれからの新しい愛として抱きしめよう
昨日よりも強く尊く
だからといって混ざり合う前の愛がうざったかったなんて
思わないけれど
謝る僕は少しだけの悪気を感じたので頭を自発的にさげる
50%の悲しい気持ちでさよならをすませ
残りの
50%はきっと使わないで後はとっとくさ
100%まではいかない嘘っぱちの文句だけの濃縮ジュースのように 当たり障りのないところでとどめた愛は悲しすぎる けど
そのくらいがみんなを納得させるにはいちばん適してるかもね
君と僕の愛を割って いま 作る気持ちに何ひとつ偽りはない
恋のミックスジュースみたいに心のミキサーで混ぜちゃって
しぼりだすよ 果実も皮ごとビタミンも無駄にせずにカラカラに干からびるまで
野菜も入れようかな
たくさん想像だけは次から次へ出てくるだけにジュースはその都度変な色になるし匂いもきついね
恋のミックスオ・レ
ああ
もう一度作り直しだ
横に並べられたたくさんの失敗作 だけれど鼻をつままずに君の作ったジュースならばと飲む
ふたりの共同作業に支障を来さぬようになるべく飲むから
味の評価までは正直に言わせてね。
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