ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 晴れた空だったね

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2483] 晴れた空だったね
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

自分が思うよりも僕は嘘ばかりを並べて すぐに他人のつくった落とし穴にはまる どこまでも果てしなく続く底のない暗闇
その中を僕は決してたどり着くことのない
光を求めるかのようにこの悲しいだけの日々に終わりが来るように待っていて
心のうちではさり気なくはかない願いを捧げたあの日
そんな願いを噛みつぶすように粉みじんにした記憶だけつなぐように印象に深いものしか覚えてなくて
たったひとつの空を記憶の中になすりつけるようにつぶやく言葉はこれからの僕にとっても変わらず大事な言葉

誰かのやさしさやあたたかさを無視してそれをないがしろにするように生きる
だけれどその罪や過ちをうち明ける勇気さえない僕は言えぬままの罪悪感背負ったまま
重い足を引きずって今も笑って泣いてお疲れさまで気づくと大切なはずの事すらもどうでも良くなる

確かだと信じてる事だけ
抱きしめて行こうか
自分の心のふるえを止めるように途方に暮れた背中をピンとのばし心の窓を開け放とう

烏帽子の中の御伽噺の中でいう世迷い言
明日を待ち焦がれた
いま全てが仮の姿
幻影となり嘘のようにつかの間に消え失せる 次々に連写されるはかなき一瞬の映像

敵も味方も味方の敵も私の敵だ
そして私だけがまた生き残った
幻たちの周りで人が宴を始める
心の中に残した記憶を組子
在らぬ夢が化けた幻の姿と形

それはやがて始まりに戻るから無に変わる

全ては幻だから現実から見ればただ夢から覚めたように

晴れた空だったね…
晴れた空だったな…

そう、つぶやくだけつぶやいたら
嘘で本当を隠す僕にも晴れ間は訪れるかな
何て、頭をよぎったかすかな迷い

闘うように 刃向かうように 僕は僕 君は君で
君は君らしく今を生きちゃんと自分自身と向き合って絡み合った複雑な世界の中で

いつでも晴れた空を探す日々。

2008/05/03 (Sat)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -