詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
少しずつ少しずつ変わっていくんだね
僕の中でも君の中でも
今日も昨日迄の僕とは違う何かがあり
僕は僕なのだけど新しい僕だ
始まりはいつも些細なことからで
気づかないからすれ違いばかりで
何度始まりが訪れても
そんなんじゃ意味はない いつか始まらなくなるのだけど
始まりなのに悲しくなってしまうよ
遠ざかる声を拾うように
一度はあきらめたことでも素直な気持ちで向き合えば
きっと見えるんだ
そう信じているから
光は信じる気持ちをなくさない限り僕を照らしつづけるはずさ
流れゆく時の中でなにが今日変わり
僕はまた新しい僕になる
明日からもまた新しい僕になるから
昨日の僕に手を振るんだ
もう会えないから
最後の言葉をかける
だけれど僕が僕に話しかけてもなにも返りはしないよ
僕は僕だから
僕は一人だから
最後だから二人にしてよなんて言ったものの話す言葉はないし
話せる相手がそもそもいないんだ
それでも それでも
言い続ける
独り言になっても
いいんだ
これが僕が昨日の僕に出来る最初で最後の最高の手向けさ
だれも知らない
だれも見えない
僕でも見えない
僕が僕に話しかける
この時間はもう戻らない
無意味なんてことはないさと僕が僕を励まし 僕が僕と会話する 心の中で
独り言のように
だだの独り言だけれど
それでも それでも
話しかけていた
真夜中の零時過ぎ
ばかばかしいことだと
眠すぎて血眼で充血した目玉をころがしながら
すべてを悲しみには変えないさ
通り過ぎる日の幻はきっと僕にいつか
いつの日か いつの日にかおしえるだろう
今日がある その意味を
今を生きる その意義を
少しずつ削られていく命と限られた時間のなかで また一人流す涙は悲しい色に染まるもその反対側にはちゃんと幸せの色が見える。
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