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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2525] しぐれ注意報
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕は思うより大人になる時期がやってきても
みんなは大人らしく大人の棲む世界へ旅立ってゆくのに
僕はといえばただ日々を無駄にして通り過ぎる追い風にさえのらない日々 向かい風だけ吹きつける

目の前をゆっくりと
流れてく時間の雨が
まるで光の玉のように僕に降り注ぎ僕の中にそのあたたかさや冷たさを伝える その一つ一つには違うそれぞれの愛や思いがある
そしてそんな僕は
ただの一瞬にさえ永遠を感じたいと求めてしまうんだ
一秒と数分の間に僕は考えてる
いつでも君に伝える言葉やこの世界の疑問について
たくさんの迷いや悩みを抱えながら
いつもいつも溺れかけても助けなどよばないし必要ないのさ

僕は大人になりきろうとムリをして 勘違いして
急ぎ足の世界で時間より早く明日を知ろうとして たどり着いたときにはそこにはもうすでに明日があって 不適に笑いながら僕を明日は見下したんだ
たぶんそんな日々の連続が僕の一番の悩み
楽になりたくって
ホントつまらなくて
追いつけないその距離がなぜだか果てしなく思えて
終わりのない最果てへと時は遠ざかる
もう戻らない過去の闇へと消えるだけ

手を伸ばしたけど
届かないんだよ
足も伸ばしたけどさ 無意味に終わった

目の前を幾千じゃきかない大量の悲しみが
限りなく降る雨が冷たさを心ににじませてる ふやけた心が濡れた紙片のようにびしょびしょさ
ぼやけた瞳を濡らしながら なぜなんだなんて今さら後ろを振り返るけど
そこには何もない
そこには何ひとつなかったよ

窓の外をさりげないまま泳ぐ月が二人を照らす夜に心の雨でつくられた海に沈んで もがいてる月をそのまま沈み込める
手のひらサイズの小さな月よ おまえだけ 永遠に死なない無期限の命をもつ空よ 大地よ 海よ
いま猛りくるう僕を憎んでもいい

哀愁部屋にて。

2008/05/17 (Sat)

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