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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2528] 冬の雨
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

何十年前も何十後でも僕は変わらず
僕でしかなくて
僕としてただずっとそれを怪しんだり
イヤに思うこともなく暮らして行く
イヤに思ったって無駄だって事この何十年かで十分に理解したからむりやりでもありがとう
感謝する その世の中の強引さに
それがあるからこうなるしかないっていつ誰が決めて今にいたる?
僕にえづけをするように世界はなぜ餌でおびき寄せて僕を自由から連れ去るのか?

一瞬だけ静かになった部屋 車が外で急ブレーキで止まる音がする。事故起こしたかなぁなんて縁起でもない事をいう
グーの音もいえないくらい気まずいな。
静かに音もなく地面にまっすぐ降り続く雨とやみくもに突き進む
突き刺さってく雨粒が氷のように冷たくて
この世は今まるで冷凍庫
まだ話は終わってない
想像はそれでもまだつきたわけじゃない ただ僕が消える前に追いつけなかっただけだ
そのあまりの多さに
そうあまりの数量に

僕のほほをかすめて落ちる冬に降るしつこくまとわりつく霧雨(あめ)
限界にしよう
ここらを限界と決めて
出発地点からゴールまで面倒だから
一ミリメートルで
そこが終わりで
此処が始まり
今が一秒ごとに違う僕に変わり続けるように
僕を変えるように
糖質の高い缶コーヒーのような甘いキスでめんどくさい事はかるくすまして
地下から屋上へとのぼる非常階段で
屋上から地下へとくだる非常階段で
生きてる足音たてながら
明日の足音 片耳で聞きながら
僕はまた一秒経ってまた経って変わりまくる
いつも僕は僕なのにさっきの僕ではなくなるから複雑に絡まる 頭の中にハテナを浮かべる
目に映る世界は放送事故
視界の中に横たわるまほろば

詩人なんだから詩人らしいこと書けよだなんて 天才なんだから天才らしいこといえよだなんてテレビに文句をいう昼下がりもやがて日が暮れて闇に消えるね。

2008/05/17 (Sat)

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