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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2527] ありがとう…
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


離れたくなくて埋めるその距離とその時に
かかる重心の分だけ僕は身体を誰かのため
自分を犠牲にして傷つくんだ誰かのためにとばかのひとつ覚えのように繰り返しながら

だけどいつも返ってくるのはありふれた
そのやってあげた事への感謝とは裏腹な
中身のない形だけの空っぽなありがとう

ただの ただの
ありがとう
ただの ただの
ありがとうの言葉だけが僕の手元に残っただけ
ぽつんと悲しく
たたずむだけ
たたずむだけ

ありがとう
ありがとう、って
ホントにわかってるの?
感謝はホントにしてるかい?
疑り深い僕だから
態度で示してよ
それがホントだという証拠に
嘘じゃないと豪語するならば ならば

ありがとう…
ありがとう…

君はただばかみたいに繰り返す
僕もただばかみたいに繰り返す

たまにふたりは自分のせいで傷ついた膝同士をお互いになめ合う
生易しく甘ったるすぎる言葉で心に空いた隙間を埋め合わす
ばかみたいに身勝手すぎる言葉で許しあって
許されたと暗示の中で渦巻くように
くるくる くるくる
ゆがんだワルツは回り続ける
ゆがんだ手と手で愛を汚しあい続ける

日々。

2008/05/17 (Sat)

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