詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
心ふるえる人がいれば
瞼ふるわす人もいるよ
そのふるえはずっと止まらないけど
やがては蛇口をひねって流れ出る水を止めるように
たやすく動かなくなる瞼も心も いつかは
暗いから少しの灯りで満たそうとして満ちたときに
喜べた時代はもうずいぶん過去に流れた
今では少しじゃもの足りない人ばかりいる贅沢な世界だ
水を使えばドバドバ出すしゴミも出す
すぐに捨てるよ
新しいものに買い換える
まだ味の残るガムを吐き捨てるように
少し調子が悪くなったくらいで
そして やがて
時代の箸置きに
もとあった闇に
時代を置くときに
人は気づくだろうか
自分らがしてきた
多大な過ちやその罪の深さに自分らが棲む世界がどれくらい
今まで自分たちのせいで腐ってきたかを 知る日がやってくるんだろうか
やがて時代を映す
鮮やかな世界を映す
はれた視界は闇に閉ざされ終わりの時が誰にでもやってくるように
僕もいつか闇に身を捧げなくちゃだめな日が来るかなぁ
確かにみんな同じだけれど 終わりにおそれずに生きてる人なんて居ないさ
まだまだ先があるのに途中でそのいのちを立つ人だって
痛まないわけじゃない
恐くない訳じゃないんだ
人だからそれを避けて生きていけるほど人は強くないし
でもそれに染まりきってしまうほど柔くもないから
難しいけど
強く弱く人は生きてる
くり返す日々の中
また小さな1日の終わりの箸置きに
箸を置くたび
ふるわしてるよ
瞼を心も小刻みに
ふるわしてるよ
明日も箸置きに
箸を置けばね
ふるえるんだよ
昨日もそうであったようにふるえるんだよ
追いかけてくる時間という限られたいのちを食らう化け物はやがて僕を跡形も残さずペロリと食い尽くす
運命の命に従って今までそうやって来たようにいつか僕も命を天に返すかなぁ。
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