詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][得票][編集] |
呼び合う魂がふたつこだまして
何処からか僕を呼んでいる
確かなものなどないと思ってた
駆け上がってく坂の頂上までは
まだ着かないんだ
その気配すら見えないって事は半分も行ってない証
此処はつめたい世界
とてもつめたい世界
まるで機会に支配された人間たちの住まう場所ではなくなった
コンピューターワールド
すべてが数値化され
すべてが機械化され
機械に任さなけりゃ人は面倒くさがり
何もしなくなった
腑抜けな奴ばっかが棲むふざけた世界にいつの間にかなってた
メカニカルワールド
此処は
メカニカルワールド
雨は鉄を錆びさせ
機会はかたい鋼鉄の指で花を摘む
涙の代わりに
油でできた水滴がくぼみから人工のくぼみから滴るだけ
悲しいメカニカルワールド
水たまりに映る自分の姿 こんなんが未来の世界の訳がない
現実をひたすら壊れるまで怪しんで
機械に生まれなければ良かったと嘆くロボット
木になりたい 綺麗な花になりたい 鳥に囲まれてたい こんなつめたい笑うことさえ出来ない固定された表情の僕は僕を嫌った
じゃまくさいほどよけいにある感情だけが僕をひたすら悲しませてるよ
明日が来ても
空は晴れることはない
空っぽの脳みそから伝達され行き届く
視界からの景色など
ただ鮮やかなだけで本当の景色じゃない
ロボット病院へ整備に行くことさえ忘れる
電子回路流れる血じゃない 油と電気が僕を生かす
子供の頃の思い出も 親の顔もないあるのはメモリー回路に保存された機械的な鮮やかすぎる映像だけ、造られたときからの映像だけ
進みすぎた科学のせいで悲しみが生まれる
進ませすぎた人間のせいさ…
僕はメカニカルロボット メカニカルワールドで造られた
僕はメカニカルロボット 心臓が発する音なんて機械の音で全て人とは違う造り物の命。
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