ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 命が咲いた場所

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2700] 命が咲いた場所
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

長い眠りから目覚めた誰もが見る目の前に咲く命の花を
羊水のたまった居心地のいいゆりかごで揺られながら
僕が生まれてくるのを心待ちにしているパパやママの声がきこえてた

耳がきこえ始めたときから 多分僕は意識的にきいていた
美しいそのメロディー

命の花が咲く花畑にゆこう ふたりで
命がはじめて生まれた場所へ 今すぐ

思い出そうとしても昔過ぎて
思い出せないや
だけれど 僕は
この目で見たいんだ ピンとこなくても見覚えがなくても
命が息づき始めた場所を 僕が生まれた場所を見ておきたいんだ

また命の花が今度は僕らに授かるときには
命の咲いた場所を教えてあげるんだ
きっと言葉はわからなくてもこの声は絶対
きこえてるはずだから 何度もいうよ

ここが君の生まれる場所だ
これから住む場所だと
そして
生まれたなら
ここが君の生きる場所だよ
今から暮らす家なんだ

そう伝えるから

その前にちょっと
三人でお昼寝でも
のんきに僕らは僕ららしく気張らないで
難しいこと言わず
ただ笑いあう日々
ばかだといえばほんとばかだけどこれが

意外や意外で素晴らしいんだ
とてもとても素晴らしいんだ

命の咲いた場所で
君とふたり
言葉と振動のおしゃべりしたこと
覚えてるかなって
今度は君にふれながら外側から外側に向かっていうよ
内側に向かってじゃなく
小指を握りながら笑う
君を愛しく思う

大好きな君と同じくらいに
大好きな僕以上にずっと

君に向ける愛は深くそして大きく
どこまでも果てしなく無限大だ
君に向けた愛はやわく確かに脆い
けれど脆いがゆえに大切に思えるさ

大事にするさ
ふたりで育てるのさ

大きな花になるように プランターに水をやるみたいに愛情という日を浴びて水も肥料も忘れずにあげる。

2008/07/20 (Sun)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -