詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
あの日 ライターで燃したはずの記憶
なぜか 今さらよみがえってきたんだ
あの日 ライターで跡形もなく燃したのにも関わらずに
記憶は消せないんだな
自分じゃ消したつもりでいても
どんな記憶も消せない
じつは全てコピーされるように
一枚の元のオリジナルの記憶は増えてく
そして体中に記憶は飛び散るように広がるから
もっと忘れにくくなる 記憶を全部消せなくなる
プチプチの包装紙
一つずつつぶしてくみたいな地味で地道な作業さ
実際は人生なんて 物事なんてすべて
ライターで燃したように 一瞬で片づくもののほうが少ないくらいだ
他人は許さない
自分がよくても
認められない 他人の評価はいつでも自分の評価と食い違いすぎて みんな独りよがりだから
僕も他人を許さず
他人も僕を認めず
きっとそれの繰り返しなんだ
きりがないや
きっと何度やってもおんなじ
結果は変わらず
傍線、一直
時々重なる波線
だけれどほとんど
僕を評価する
信号は赤ばっかし
青にはならないさ
僕をみていやがる
奴らは皆独りよがり
僕もまた独りよがり
同じで独りよがり
ライターで燃した懐かしくも悲しい写真より
もっとリアルでサバイバル的な痛みと快楽の世界へアバントユー
君と… 君と… 君と
アバントユー!
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