ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > お歳暮

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2711] お歳暮
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


ひどくおどけて舌を少し出した
君に一目惚れをした俺を責めないで
周りからはどうして僕なんだよって声
うらやましいって光線を浴びた視線の的さ

余りに熱いからその熱で溶けちまうよ

まるで 夏の君の顔
いろんな表情をしてる
めくるめく時の渦
それは いつか描いてた理想にしてたありのままの君さ
まさに運命の人と夢みてたその人

デッサンするように
スラスラ 日々が来て
過ぎ行くよりも速く
今日から明日へ変わる

なつみかん かじりながら
皮もむかずに
ぼんやりした夏の頭
まるでなつみかん
ツルツルのスポーツ刈りさ

そんな話を数分した後飲むんだ
バケツみたいなひとつのコップで
トロピカルジュース
恋の 恋の
トロピカルジュース

君とまた今年も飲みたい
あの店で
あの席で
あの日のように飲みたい

さよならの切なさと
始まりのドキドキ感
つれながら来るのさ
今年もまた夏は

涼しげなリズム奏でながら
暑苦しさも君がいればいくらか和らぐ
伝えたいよ 行こうって 今すぐ

電話越し
切れかかった
充電が切れる
何十秒の間で
なんの話が出来るだろう
確かめるのもばかばかしかったから
素直に充電してかける
君にコール
待ちきれない僕はいち早くトロピカルジュースを右手に君が出るのを待つばかり

そんなばかばかしい夏のある日の出来事
ばかばかしいようでなんとなく大切なメモリー
やがてそんなふうなくだらない一日がまとめて光に変わる

夏に限らずに

すべて すべて すべて

トロピカルジュースみたいにたくさん混ざった思い出ならきれいなはずだ

僕に届く
きらきら光る
ちょっと早い
夏のお歳暮

中身は秘密さ

受け取った僕と贈った君だけが知ってる

恋のお歳暮 夏の定番。

2008/07/21 (Mon)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -