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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2720] 道の先
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

この道はどこまで続いてる?
そしていつかどこで旅は終わるのか?
なにかを求めてなにかを探して
僕ら そのために生まれてきたとしたならいったいなにを求め探してるんだ?

さよならの知識だけを不必要な情報としてしらされたまま
僕らは時おりその事をすごくすごく悲しく切なく思うんだ

幾度も重ねたちっとも眠気がこなくて眠れない深い夜
そしていつもと同じように決まってそんな夜には出ていた三日月

気をつけてないと吸い込まれそうなほどの闇
その向こうに見えたいくつもの儚い幻

泣きわめく子供さえあめ玉を与えればだいたいは短時間で泣きやむ
汚れきったどこぞやの水でさえ蒸留を繰り返せば飲めるようになる
だけれど始末のない僕はなにをしたって今の僕から変われない
もう一歩さえ進めない
確かに時間は進んでるけどいくら時間が進んでも僕の心の成長はあの日から止まったまま 無駄に時計は回る

子供の姿の僕はずっと過去の道の途中に影を残してここまで来てしまった
置いてきた自分を探しに行くにしても戻る道を僕はしらない

ずっと ずっと どこまでも続いてく道
ずっと ずっと いつまでも続いてる空
ずっと ずっと 果てしなく続いてた夢

広がった心 その数だけ苦しみもあった
確かな色は鮮やかに染まり今も僕を呼ぶ
そう変わらないあの声でやさしく呼ぶよ

パレットのうえにしぼりだして新しくて古い夢の素
響かせて 綺麗に混ぜながら懐かしい思い出の色をつくる
名前さえしらない地図にも書いてない記されてないはずの僕のふるさとはもう今はない 昔の話さ

思い出の中だけで進むストーリー
時間はその中だけで存在する見えない掟
街は人々の営みを記憶する様に
今まで通りの生活を繰り返す白と黒の街

世界はやがて道の向こうに朝陽を描き
僕を連れてく あの向こうへと

2008/07/22 (Tue)

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