ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > キオクノトビラ

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3011] キオクノトビラ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]

めぐる明日は変わらず希望をちらつかせボクにさんざん期待させといてきれいに裏切る
知らなければすむものも知りたい気持ちをよけいな感情と思う時点でボクは罪びと

さよなら 今日の日のボクよ もう会えない悲しみの蒼に塗られたバスに乗って遠ざかる
さよなら 今日の日のキオク もう描けないから 涙の海を渡り思い出を乗せた船は小さくなる

消えてゆく ただ手を振るだけが限界と下唇かみ締めて記憶の扉を閉じる真似をする
でも扉はいっこうに開けっ放しの侭

たださよならするときだけ悲しくなるほど離れないでいてほしい今日に変わる
ただ受け入れたくもないけど受け入れるしかない新しい日々と これからの高く積まれたまだ見ぬ宿題におそれて身を震わせる
へそ曲がりなボクとそれに匹敵する明日と闘う
窓を開けて逃げ出したい気持ちをかき消すほどの忙しさ
「よけいな事は忘れろよ」とでもいうみたいに

記憶の扉はもうひらかない 忘れさられた日々の向こうで笑う過去たちがひしめき合う扉の前 禁断の罪をおかすのか
昔聞いたおとぎ話の二人の恋人みたいに化け物になった恋人に会いに行く勇気があるのか
ボクは過去へかえれないのを全て知ったうえで問いかけた
無意味に事切れた返事(こたえ)

それはわからない
わからないではなにも始まらない
それはわかってる
ならば行動あるのみと自分を促したけど
何故か何の変化も反応もなくってさ

当のボクも悲しくなる
悲しく悲しくなるのさ

記憶の扉は今もあの日ためらって開けなかったことが物語るように硬くとじたその侭 あることはあるけど

目には見えない扉だから確かめるのは困難を極める
それが記憶という曖昧な扉
鍵だけはここに握られてるのにこれまた見えないからなんなのかは自分で探さなくちゃいけない
とても面倒で億劫な全容に言葉を失くす。

2008/10/25 (Sat)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -