詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][得票][編集] |
人は傷つき人を傷つける事がある
傷つく痛みを知っても傷つける痛みまではなかなか解り得ない
だから傷つける痛みに気づくまで人は
傷つく痛みを自分のからだで自分におぼえさせる
こんなにも傷つく事はつらく痛いのだという事を
時に言葉で傷つける間接的、精神的な痛みを
時に暴力で傷つける直接的、肉体的な痛みを
心を痛めつける痛みとからだを痛めつける痛みを知り人は長い長い時間を費やして人間本来のよい意味でのありのまま姿、またあるべき姿へと変わっていこうとしている
ただそれが時に我を忘れ憎しみのままに動いてしまいあとになって自分がしてしまった事に気づき傷を負ってしまう事もある
人は傷つき傷つける痛みを知っているはずにも関わらずその痛みを感じている時以外での人の痛み 自分で感じた過去の痛みを忘れ今起こっている現状にしか目がいかない事もあるから
たとえ知っていたとしても憎しみにかられれば人はその憎しみに負けて憎しみのままに行動してしまう事も見逃せない
そのためには極端な話をすれば永久に消えない傷を負い痛みを感じ続けなければいけないが
それはできないので人は痛みをつねにからだや心におぼえさせておく必要がある
そうすれば傷つける痛みを忘れようとも引き出した記憶がその暴れ出した感情を止めてくれる
傷つける痛みや傷つく痛みを知っているというならば
ふいに芽生えた憎しみになど負けてはいけない
傷つける痛みを傷つけた人にやり返してもそれは傷つけた人間と同じ色に染まるだけの悲しい連鎖をうむだけ
傷つける事をくり返すうちに人はいつの間にか人の心を失ってしまうから今ある憎しみにかられても人の心を取り戻せるうちに人はその事を頭の中で理解しておくべきだ
たとえ傷つけられた傷が記憶に憎しみを刻んでもその憎しみを憎しみ以外の感情で抑える事もまた人だからできる人のつよさだと思う。
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