詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
嘘と本当の真ん中で
生と死の境界で
理想と現実の狭間で
人はいつも回っている
くるくる ぐるぐる
人はいつも苦しんでる
くたばるまで ずっと何かさがしてる
答とそれぽっさの真ん中で
強さと弱さの境界で
善意と悪意の狭間で
僕もいつも回されてる
まるで独楽みたいに
君もいつもそれに苦しんでる
操られ 操り
操る人の上にまた操り人が立つ
だから操り人形なのさ
みんな
それを操っているすべての人間の支配者は誰だろう
僕もだれかを操ってるんだろうけど
でもだれかに操られてる 体中に糸がついてるよ
呪縛は解けないよ
社会という糸が巻き付いてるから
逃げられない僕はいわば社会の操り人形
イヤだけど言うこと聞かないと
常識を守らないとだめなんだな
糸を切られたら暗闇に真っ逆様
そんな人を何人もみてるから
ますます逆らえなくなる
社会っておそろしい
世の中はもっとおそろしい場所
いまの俺には閻魔大王より上司の圧力のほうがよっぽどこわい
操り人を操る人
独楽を回す役の人
またその回す人を回す人
みんなだれかを操る独楽と糸をワンセットずつもってるけど
かならずだれかは自分を操る糸と独楽をもってる
そしてその人を操る独楽と糸をもってる人が…
ずっと続く連鎖さ
いつも同じ繰り返しの中心で規則正しい円を描く僕ら
時々気が乱れてゆがんだ円を描いてしまうから怒られる
そんなかわいそうな人だから
少しはいたわって
でも少しふてくされて回るよ
けっして不安なしには笑えないけど
不安を通して見つめる光もまた美しい
それが僕らの暮らし
それが僕らの掟
この世で自由を許されてる代わりに課せられた条件だ
僕は従うなら君に従いたいのに糸になって媚びを売る僕の姿は恥そのもの
だから君には見られたくないよ!
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