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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3241] 鬼の虎柄パンツのいきさつ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


絵本でよく見る赤鬼 青鬼 黄色鬼、子供大人に関わらずみんなはいているあの虎柄のパンツ
あれは不思議だ
よくあんなに虎をしとめたもんだ 昔話も見方を変えればその後の物語よりそれ以前の物語を作ったら面白いし過去からの続きがよく絵本になったりするけどそれ以前の物語に出てくる鬼や人を主人公にしたら楽しいね

ロングアゴー ロングアゴー
つまり昔々 うそか真かわからないが
桃太郎が生まれるよりずっと前の話
鬼たちが鬼ヶ島に移り住んでまだまもない話
鬼は人間たちにいたずらばかりしていた
金品をかっぱらい女娘をさらっていって嫁さんにしていた
あの桃太郎を幼少まで育てた有名なじいさんばあさんもおびえてた 現地におもむいてインタビューしたらこわかったと言いそうだ
ばあさんなんかまだピチピチのお姉さん
三十路だけどばあさんよりはお姉さん

主人公は鬼の中でも一番弱い泣き虫赤鬼の赤平(あかべい)

鬼は泣き虫だけどぜったい危害を加えるような事はしない鬼にはめずらしくやさしい心をもった鬼
桃太郎がいたら味方になりそうな鬼
その赤平はある日一匹の虎に出合い襲われた 虎は赤平めがけて突進してきた
でも赤平は途端によけて虎は赤平の後ろにあった岩にぶつかり赤平がよけたことで虎は岩に勢いよくあたり死んでしまった
それを見たほかの幾人かの鬼たちが赤平が虎を倒したとはやし立て
赤平は昨日の泣き虫鬼から一変して鬼ヶ島の頂点に立ったよ
そしてみんなにこう言った
「人をいじめてはならねぇ、人だって俺らたちと一緒で頑張って毎日せっせと生きてるんだから、もういじめたらだめだべさ」
そう言ったとたんすべての鬼が泣き出した
それから鬼は金品や女娘を村に返した
それから何年も後赤平は鬼ヶ島で鬼の恥とされいつまでも変わり者と言われ続けたとさ
めでたしかはわからないけどこれでおしまい おしまいだべ。

2008/12/06 (Sat)

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