詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
ほろ苦く 思い出す
あの日の残念そうに肩をふるわす恋に破れた僕の顔
笑えるぜ 今でなら
過去で起きた悲しみなどもう過ぎたこと燃え尽きた後の顛末と、なかったことにしておじゃんにする気ですか?
だけれどふられたことは紛れない事実なんだ
消せない痛み 今も時々思う もしあの恋が実っていたらっていうたとえ話を酒のつまみにする無精ひげを伸ばした二十歳を過ぎもうすぐ三十路になる僕は笑ってた
楽しいはずの学生の恋
切なく響き流れてた 時にバラード 時にブルース
切ない胸を焦がしながら青春の溶鉱炉の中で熱く燃えた日々がよみがえる
思い出したくないけどそんな気持ちのどこかでまた小さなまきびし気づかず踏んでしまう瞬間
思い出こぼれる
記憶がまた再生されあの日告白したところからはじまる
ああ
『あの場面 そして君の一言
好きです…付き合ってください…
ごめんなさい…逃げ去る君…
残された僕…切なく鳴り響くチャイム
それに混じってもう一つ鳴っていたのは僕のすすり泣く声』
ああ 切ないな
今 思い出しても変わらず切なさは同じ
消えるどころか日々歳を重ねるたび濃さを増す記憶
風のようにあらわれては消えて消えてはあらわれての繰り返し舞い踊る枯れ葉に所々遮られて思い出せない
先に進まない 拒んでる 僕は自分で
もう戻りたくない青春
あの日から今までしばらくついきのうまではあの切なさ忘れられなくてうつろな思い抱いたまま
すべてあんまり覚えてない
だからイヤにあのサヨナラの記憶だけが鮮明に映り 胸をぎゅっと締め付ける
サヨナラの声が今もたまに何度か聞こえるよ
そのたび振り向いてる ばかだな俺は…過ぎ去った事じゃないかなんて言いながらもうなだれて泣いてるのはほかでもないこの俺
初恋はやっぱり切ない歌に限る ロックじゃ余りに気持ち違いだよ…
[前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -