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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3245] ウィンターラブソング
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


サヨナラ かつて愛した人よ 真っ白な雪が降る街に君のためおいてきた言葉
ふるえた声で永遠に返らない日々にむかってつぶやいた ひとつの始まりとひとつの別れの言葉

できるだけ空に遠いところから輝く星を見上げよう
あの星なんて名前かななんて河川敷に座って笑顔で話したよね
くだらない事で笑いあえる二人は二つずつの瞳に小さなプラネタリウムを広げた
でも映るのは壮大な宇宙からの景色
それはステキな冬の夜空 その奇跡 何十億分の一にも満たない確率でしか見れない景色だ

ウィンターラブソング
理屈など今夜はきれいに忘れてしまって
ただこの美しさにお互い酔いしれよう
いつも見ているものは同じはずなのに見方が違うだけですれ違う二人はまるでもう今夜でしばらくこうやって笑いながらは逢えない
そんな顔しながら
口ずさんだ
幸せの絶頂にいながらなんだかそんな不安が視界を曇らすよ
でも僕は精一杯をこの今というひとときを抱きしめるから
君も愛してるという声を抱きしめてくれ
全て真実だから

いきなり僕は立ち上がって周りの迷惑気にせず君に向かって言いました
言いたいことがあると安いドラマみたいに白い息吐き出しながら言ったね
僕は君を愛してる
誰よりも ああ 何よりも君が好きだよ
だいたいそんな内容を言った気がするよ
あまりに恥ずかしくて今じゃできない事だ

そしてそのあと君も立ち上がって私もよって言った
二人はスイッチが入ったように愛してる…愛してるを連発した
あの夜君は忘れてない?
恥ずかしくて聞けないけど
ただひとつわかるのは結局僕らいつまでも一緒だった

あの日から11回目の冬楽しみな事がたくさんある
あの日と同じ今日の日を抱きしめられるのはきっと僕らだけさ
それを翼に変えて飛んでゆこう
きらめく街へ
そして その帰り
あの河川敷へゆこう。

2008/12/06 (Sat)

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