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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3259] たった ひとつだけ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


君が笑うから僕も笑う
君が怒るから僕も怒る
君が泣くから僕も泣く
そんなふうにいつでもひとつの見えないつながりの紐で二人はつながってる
でも、
君が死んだら僕も死ぬのかなあ?
そんな事言っていたらその通りになった
でも、
ただひとつ たったひとつ 今までの流れと違うのは
君が死んでも僕は死ななかった 具体的には死ねなかった

それだけは同じにはなれなかった 自ら紐

あなたはどれだけ愛する人やつながっていたい人とどこまでも同じでいられますか?
信頼するって事
つながってるって事
自信を持って叫ぶなら
やってみせてよ
もしするときがきたら
おかしくない
それが本当につながってる事
同じにできないならそのつながりはまったくのうそだね

それくらいの覚悟もたないと人など愛せない
だから僕は死ねなかった
だから僕はあなたと最後までつながれなかった
そのつながりの本性におそれをなしてしまった 生きていたいと思ってしまった
君をひとりにしないよ
簡単にあの約束もやぶってしまった
そんなもんさ
そんなもんさ
軽々しく命を捧げられない
だから人はそれ以外を愛する人には捧げるべきなんだ
命まで捧げたら素晴らしい愛だけどそれだけに時がきたら
君までお陀仏さま

だから素直になれよ

死ネと言われたら死ヌのかっていう問いかけみたいに
正直に死ネませんと泣いて言いなさい
だって本当だろ
それをわかった上で人を愛すなら それが本当の愛の形
生易しい愛の姿
本来あるべき愛だ
おだやかな愛だ

わかるだろ?
ほかのことでなら一緒になれるけど命までは一緒になれない
この気持ち
他人だからというよそよそしい気持ち
愛しきれてない証
信じられてない証
たまにそんなふうな考えをする奴がいるからおっかない。

2008/12/07 (Sun)

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