詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
人の心の中にかならずある
それはたしかな幸福を呼ぶ幸せの種
いつか長い時を経て幸せの花を咲かす種なんだ
その花が咲いてしまったらきっと僕は生まれ変われる
はかなく散りゆく花もあれば今日もどこかで生まれてる花もあるから
どうか光を捨てないで希望を信じてその種がお日様の下に芽を出す時は笑顔で迎えてあげて
それが僕ら小さな種たちの一番の栄養になるのだから愛を絶やさないで水やりを怠らないで、僕はあなたの痛みとともに生まれたその結果だから、どんなに醜い花になっても自分に向けるのと同じ愛で僕を包んで
照り返す坂道の ガード下の土に芽を出した今にも風に飛ばされてしまうような
そんな花に命を少しだけ分けてもらおう
君が忘れた電車の中の壁に立てかけておいた傘 君に伝えずそのままにした思いのように
見えないところに幸せの花はあるからどうかそれに気づいてほしい
そういう僕もたいして幸せを歌にしてうたえるような人じゃないけど 君にだけは見つけてほしい
ありふれた日々 続けざまにいろんな場所へ飛ばされる毎日
そしてつかの間 思わぬ時
吹いてきた風に油断して飛ばされないように
花になるまえに
花も咲かせないうちに飛ばされてしまわないように
できるだけきれいに花を咲かせましょう
一日でも一時間も一瞬もあなたの瞳に焼き付くくらい印象深くきれいな花であれるように
ずっと僕らしく咲き続けたい
あなたのそばで すぐ近くで
あなたにもらった幸せの数だけいやそれ以上に幸福の花になって あなたの子として 種として
精いっぱい咲いて恩返ししたい
今 いや いつも思う
悲しんでる暇があるならと自分をちょっと叱ってたまには腰を上げてあなたのために何ができるか考えるよ
やさしさだけではきれいですてきな花にはなれない
だからせめて枯れるまであなたが与えてくれたこの命を目一杯輝かせて。
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