詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
ボクは花が咲く日を待つ人
ボクは花を咲かす日を待つ種
いつかきれいな花を咲かせたい
今はまだわからないけどかならず咲かしたい
来る日も来る日も
雨の日もひどい土砂降りの嵐の夜も
冷え冷えとした冬の日でも 直射日光がまぶしいくらい照り返す夏の日もずっと待っていた
信じていたよ ボクはいつまでも
もし約束の日を過ぎてもキミならおくれても返事をくれると
電話のすぐそば腰掛けてた
愛しているよ 愛しているよ ボクだけがばかみたいに繰り返してた言葉
思えばキミからこの言葉を聞いたことはなかった
たぶんキミは最初からこうなるのがわかっていて わざと愛しているとか言わなかったんだろ
そしてボクによけいな借りや貸しを残さないために言わなかったんだ 悲しいからそういう事にしておいて
それもキミのやさしかなあ…
まったくどこまでボクはお人好しなんだ
自分でも思うんだからキミも今ごろ思ってる
ああ 雨にも風にも負けずにいたい
ああ 負けずにいたかった 本当はね
だけれどボクは恋にまでこぎ着けたのになぜか愛の島の入り口で追い返されたんだ
なぜか恋までかぎつけたのに愛の鼻先で嫌がられてしまった
こんなボクの匂い
キミにはお気に召さなかったかな…
まったくいつまでキミを思ってるんだろ
自分という人間を卒業するまで
種は花をまだ咲かさない
ボクにはまだ春はおとずれそうにない
だけれど
だけれど いつか
春も花もいっぺんに手に入れてみせるよ
そう 雨にも風にもマケズ つよく笑うよ
ああ 雨にも風にもマケズ つよく生きる
花を咲かしてもいないけど咲かせたつもりで いち早くこの部屋で咲く準備
ちょっと気が早い?
ちょっとなめてる?
ただ咲きたいだけ
ただはじけたいだけ
柱時計が時折鳴り響くこの場所で いつか。
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