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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3284] デスティニールーレット
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

その日、すべてが始まった
運命も宿命も人間の悲しいルールが摂理が動き出した
その日、すべてが決まった

終わりも始まりもその日からの続き
それが今 僕がいる今という世界

ページは僕が生まれたあの日よりもずっとずっと前 誰が生まれるよりずっと前からめくられていた

表紙が世界の始まりとするならその1ページをひらいたのが何かの偶然だとしたら神はそこには存在しない、ただいたずらがすべてをそこに描いただけ
運命の地球儀を回したのも神様なのか
その回転が止まるまで僕のすべては脈打ち続ける、悲しいほど正確なリズムを刻みながらときおり運命に抵抗するように乱れるけどすぐにまた正しいリズムへともどる

風が吹くようにさりげなく世界は終わり始まりすべてはルーレットみたいに気まぐれに夜明け 日暮れ繰り返し
うそみたいに勝手な具合にひらかれめくられ続けてたルーレットがまたも勝手に終わる

そのせいでこうむった迷惑は数知れず
痛みは果てしない
悲しみも果てしない
ただそれだけに大切なものに出会ってしまったことも大きなこと
だけれど、出会ってしまった事実があるからこそ別れを惜しみまた胸を痛める その悲しみもある
勝手とはいえど勝手に植え付けられた感動を捨て去ることなんかできやしないから
素直に痛みを受け取る以外できない
僕は悲しい生き物
されど嬉しき
されど悲しき
その狭間で移ろう日々を行き来する

まさにルーレット
運次第で笑顔にも涙にもなる 白黒はっきりする

それが運命なんだ
誰にも公平でありまた違う見方で言うなら誰にも不公平なもの

僕らはそれと一生付き合ってゆくしかないらしい
回り始めてしまったからには仕方ない
なにを言おうと僕は小さな鳥かごの中
文句を垂れる権力もなければ金もない
日々の生活に押し込められている それが常。

2008/12/10 (Wed)

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