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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3384] スープをつくろう
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


涙と笑顔を材料にしてスープをつくろう
あたたかいやさしさと少しだけ辛いスパイス 厳しさをまぶして

悲しみと喜びを味わった思い出や記憶を具にしてスープを盛り上げよう

ぐつぐつ煮えたら
よくかき混ぜて
スープの出来上がり
名付けて人生というスープです

僕という名のオーナーが経営するレストランでしか飲めない
それぞれがそれを飲み干すまでずっとその熱さや冷たさに耐えてのみ続ける
たまには美味しいスープにもなる
その時の加減で味や温度は変わる 変わる

だから また スープをつくらなくちゃ
今日は今日というスープをつくらなくちゃ

自分の明日をつくるように
つくらなきゃ道はない
神様に怒られる前にさあ早く

急げ!急げ!スープをつくろう!
生活という厨房に走れ! 日常というお玉を握れ! 焦りという油を垂らせ! さあ調理開始だ!

甘かったり辛かったり極端に不味かったり
いろんな味がするスープを途中で加わった愛する誰かと涙ながらに試食

ああ 不味い!
それでも今日は今日は頑張って飲み干せ!
明日は上手いはずだ!
そのうち夜がきてレストランの灯りが消えればきっと僕らは疲れきって眠ってる 眠ってる

また明日に持ち越しだ
余るほどつくったスープがまだたくさんあるから
まだ悲しみは味わうが明日は明日で別のスープを飲もう
昨日の涙を笑いながら
昨日の自分を笑いながら
飲もう 飲もう ス・ス・ス・ス・スープ!

2008/12/23 (Tue)

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