ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 幸せびより

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3507] 幸せびより
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


なんかコトコト台所で鳴ってるのは今夜の夕食さ
まるで食器やなべたちがオーケストラしてるみたいだ
僕は指揮者になろう
母はうたっておくれよ

楽しい日曜日の朝
なんてさわやかな日なんだろう
毎日がこうなら幸せなのに

でも
1日の中でわずかでもそう思える瞬間があれば幸せ

幸せは多くても少なすぎてもだめだから
幸せにはなれないから幸せになるために
きっと僕らは繰り返すんだよ
悲しい日 うれしい日
雨の日 晴れの日
泣いちゃう日 笑えちゃう日

それでも今日は幸せ日和
涙なんか今日は要らないから笑える今日は関係なく
ほら 精一杯 笑っちゃおう
明日 もし 笑えなくなるならば明日のぶんまで ほら さあ
つよく つよく
笑っちゃおう
笑い飛ばそう
悲しみなんかに負けないで…

おなべが奏でるメロディーはシチューができあがった音
コトコト ぐつぐつ
美味しそう
味見はまかせて
お母さん!

こんな今日を
こんな瞬間を
幸せだといえる事こそが
今 まさに幸せだよ!
僕はもう悲しみからは目を付けられてるから逃れられないが幸せからも逃れられないよ

ほら また 幸せはすぐそこで靴音を立ててる
玄関先
窓辺
階段で
ルッタッタ
ルッタッタ
幸せはいつも人のそばに咲く
悲しみはいつも人のそばにある
でも今日は幸せびより
だから笑っちゃうのだ。

2009/01/12 (Mon)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -