詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
この素晴らしき世界よ
今 扉を開いて
その向こうがわへ僕を連れて行って
キミがいて
僕がいて
今の生活が回る
そんなふつうの毎日を幸せだと涙ながらに叫びたいよ
ほんとは何ひとつ汚れやうそのない人でいたいけれど
どうしても僕はうそをついてしまう 人を傷つけてしまう
そんな自分にふいに気づいてしまう瞬間僕は深いため息をつくのです
自分を守るため
逃げ道を走る
きれいな月を後ろにして
遠ざかるほんとの気持ち
善意と悪意が心の中で混ざる 何になるかはその時次第
なんて僕はわがままなんだろうな
いつもそう思う
思うけど僕は変わらず悪くて正しい矛盾した心をもつだけだ
見上げた空に今日も月が揺れている
涙でなぜか霞んでゆく
すべてがまるで終わりのない時間であるかのように長い長い日々にボケる僕
歳をとってボケる前に僕はボケていた
この素晴らしき世界に
たたずむ真夜中
幾千もの星の中に僕らしい未来を探していた
見つけたくて
見つけたくて
色のない毎日にそっと光を灯したくて探していた
明日も引き続き探すつもりさ
あきらめずやめてしまわずにいれば見つかると信じてる
つよさと弱さ 繰り返し引き出しながら日々は波のようにときに激しくときにゆったりとうねっていく
そんな世界に生きることの喜び 悲しみこの身に燦然と受けて天に向かって蔦をのばしてく
僕はまだ幼い一本の苗木です。
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