詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
他人の秘密をしりたい たとえばあなたが何をしてるのか
他人の生活のぞきたい もしできたらあなたの 人生をのぞきたい
一週間 あなたを見かけるうちになんだかあなたが好きになっちゃって あなたが欲しくなった
欲望の穴からあなたをのぞき込めばほらあなたにひざまずきたくなる
幸せの穴からの景色がほら欲望に染まる僕を常人に返してくれる
地獄からの景色もほらたまにのぞける 極楽はどこだ?
人生の穴をあなたとのぞきたい
よろしければご一緒になんてのぞきたい
人生という穴からあなたと見る景色はどれも素晴らしい
たとえそれが悲しみでも痛みも一線過ぎれば安らぎになる
快楽に落ちて溺れて落ちていく
穴をのぞき込めば
あの日の僕らがいる
はじめて穴をのぞき込んだときあなたは美しかった
もちろん今もだよ、ずっとあなたは僕の人生標本
ピンで刺された剥製のチョウチョみたいに縛り付けたくはない
ふつうに自由に笑っていて欲しいから欲望は僕を黒く染めきることはない
白と黒を上手に使い分けた 僕らの愛
ドライフラワーみたいに乾ききった心じゃさびしいから 何か忘れそうになったらあなたという僕の穴をのぞき見ながら酒をあおろう
正しいことをしたいなら悪いこともたまには必要だ
きれいな自分でいるためには汚い仕事も抱えなければ
手を汚し 汗を流し
油にまみれ 傷つく
そんな人生こそ素晴らしい
そんな人生なら素晴らしい
と思う。
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