詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
空は今
お着替え中だ
新しい夜明け
明日になるため
昨日の色を捨て
やがて新しい色に染まる鮮やかな朝に着替える
昇る朝陽がつれてきたのは素晴らしい朝だった
ミルク髭を生やした僕は君に笑われた
でもそんな1日の始まりはそんなに嫌いでもない
しかも今日は運良く休み 二つの喜び
始まる朝
めくられたページ
その中で描く何か
物語 少しずつ字や絵でうめたしていく
真っ白い朝に
この真っ白い朝もやがて真っ黒く染まる
でも今だけはまっさらできれいなホワイトモーニング
でも真っ黒く染まっても何も変わらない朝がまたくるから大丈夫
終わりなんて気にせず明日も描く
絵が好きな僕は明日も描く
何もない真っ白な紙のような巨大なそこに
一日ぶんの物語を 涙も笑顔も隠さないで
死ぬまで繰り返し
今日がそこにある限り
時間いっぱいまで
僕のすべてを描く
描けるかな すべて
描きたいな すべて
生きた数だけそこに朝があり生ききった数だけ夜は来る
大丈夫 明日も描いてる
自分が目に浮かぶ
笑ってる自分もまた
筆を握って 走り書きして描いた今日もまた
すべては一度きりの云わば幻
真っ白い過去に消える幻
もうかえらない時間
タイムアウトです
さあ 空へおかえりなさい
お迎えがくる前に
僕はそれでもそれでもと反発力をもって精いっぱい生きて
この人生に鮮やかな色彩を添えたい
好きであればあるほど
楽しみを知れば知るほどお別れはつらくなる
さよならがいやになる
でも描きたい
有限だからこそ
今日もそこに描きたい
僕は描きたい
見えないからこそゆきたいと想うように 夢は消えちゃうけど叶えるべき価値とつかむ値打ちはある
いつか見える光
やがて絶える光
触れたい 触れたい
つかみたい
どこまでも真っ白な今日をただどこまでも。
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