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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3577] はじまりとおわりの場所
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


ここははじまりの場所
そして終わりの場所でもある
不思議な場所なんだよ
やがて僕はここで息絶え
そしていつだったか僕の生えていたここにも新しい草が伸びる
命を手にする権利をもった花が咲く

はじまりだよ
誰かが告げれば
はじまりははじまるよ
世界のどこにだってその種は無数にある ある ある ある

はじまるよ
楽しい映画が
終わっちゃうよ
楽しい映画が
でも楽しかった
喜びと同じくらいの量の悲しみ
悲しみと同じくらいの量の喜び
あふれる涙の裏の笑顔 その裏の涙 そんなもんだよ、人生

そんなむずくはない

はじまり
はじまり
楽しい物語
はじまり
はじまり
悲しい物語

繰り返し繰り返し
人は生まれやがて息絶える
僕がどんな人に生まれても生まれたら最後感情からは逃れられない
逃げるも逃げないも人生の苦渋をのむしか生きるすべはない
だから涙は流れ
その涙はつかの間の喜びで忘れられいやされるもまた傷つかせられ 繰り返す
きりない それ どれ? これ? それともあれかな?

まあ どちらにしろはじまりの場所で終わりもはじまる
逃げられやしない
いつか寿命という行き止まりに追いつめられて たった一発の弾丸食らうだけで死亡

あなたの人生はここまでです
はい 今までごくろうさん…
なんて ちっぽけな言葉で今までのすべてが水泡になってはじける

まあ でもそれもいいかなあ
だってそれは 誰もが思うよ
致し方ない
だからこそ頑張ってなるべく自由になるため若いうちにがんばるよ
それが人生攻略法だって誰かさん
でもやがて歳をとるからすぐにお陀仏さま

そんな日々の先に待つ穴蔵の中に見えた光は幻か リアルか
それだけを知りたくて夢追い人になる
旅を続けてる
どうだい? もっともらしい訳だろ?

2009/01/24 (Sat)

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