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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3584] さよならは涙の数だけ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


終わりゆく今日にささやかなさよならを
散りゆく花にもささやかなさよならを
別れゆく人たちにささやかなさよならを

真新しい涙がほらほほを伝っていく 理由もないまま

さよなら
さよなら
何度言えば
僕の罪はゆるされるんだろう
無罪放免はまだ先ですか?

さよならは涙の数だけ
そして別れた人の数だけある
喜びはその中のごく一部
それでも出会いたい
永久に離れない運命でつながれたあなたへ
名も知らないあなたになぐさめられたい 早とちりに妄想してる

滑走路を滑降して
未知の世界に花を植えにゆく
からだの具合を気にしながら
与えられた翼でノルマをつぶしてく
ひとつひとつ
そんな当たり前な繰り返しを繰り返し繰り返す
日々はそうして過ぎる
なんとなく そう それなりに

うまくもなくまずくもないふつうな今日に今 僕は 立っている
時にはここにも雨は降る
水たまりに長靴
外で遊べない雨の日に幼いあの日を重ねてみたり
大人も感傷に耽る
大人だからこそ耽りたい

ひらひら
ひらひら
落ちていく
カレンダー
消えていく
見飽きた数字
塗りつぶす約束の日


でたらめな線をいくつも
でたらめな模様をいくつも
でたらめな図形をいくつも

心が眠ってるうちにすべては過去と化す
充電が終わって
気づけば
夜があたりを包む
ああ
終わってしまった
もう
終わってしまった

罪な僕に光はありますか?弁解の余地はまだありますか?
手当たり次第 当たって砕ける毎日になにがありますか?
希望は? 夢は? 可能性はありますか?
光は見えますか?

だまるあなたは本当の悲しみを知っていますか?

ねぇ…ー涙がさよならの数を追い越しそうだ
ねぇ…ー笑顔がさよならのせいで消えそうだ

僕の世界が歪んでいる。

2009/01/25 (Sun)

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