詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
風船はすぐ割れちゃうね
もろいもんだ
針を刺せば割れちゃうね
はかないものさ
それでも
赤 青 黄色
みんなそれをわかってて破裂するまでの時間を精一杯生きる
風船として
自分として
一生を貫き通す
負けやしないさ
悲しみなんか
せつなさなんか
風船みたいに
飛んでゆけ
いつか割れるさ
僕みたいに
なんか似てるな
命と風船
そこに感じた類似点
そしてもう一つ感じたもの
それは風船のもつ強さ
しぼんでも頑張って浮かぼうとする
僕も老いたって色々やりたいことがある
しぼむにはまだ早すぎる
きっと明日しぼむとしてもわからないでいられるなら幸せ
それまでの時間をそう精一杯生きるだけ
それだけだよ
きっと僕ら
どう頑張っても
それだけだよ
できることは
生まれたあかしとして
せっかくの命を無駄にしないように
生きていたあかしとして
せっかくの時間をパーにしないために
風船みたいにふくらませてくれた何かに
誰かに感謝しよう
今こそ 感謝しよう
この憎くも悲しくて素晴らしい世界で生きることをゆるしてくれてありがとう
尊い時間をありがとう
この命大切にします
お母さん
お父さん
そして
いるかはわからないけどいちおう神様
僕の誕生に関わったすべてにありがとう
歌おう
歌おう
しぼみながらも心は衰えない 記憶か吹っ飛んでも魂は衰えない
しぼむほどにつよくたくましくなる
約束しよう
僕は寿命がくるまでつよく明日を望みつづけるよ
そこに描く
見えるかぎりのキャンバスに
何も見えなくなるまでは きっと
ゴミ箱に捨てられる割れた風船の残骸みたいにやがてそんな運命をたどっても
忘れない
命在りし日のときめきと輝きを
ずっと 僕は空の真上に真っ赤に燃えている。
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