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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3653] 水平線上に消えた母の面影
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


悲しみはまるで僕のお母さんのようだよ
悲しみは厳しくもありときにやさしい横顔を見せるお母さん
喜びは悲しみの中にあるものさ
光も闇の中で息づくんだ
どうしようもないくらい眠れない夜もそんなの関係ないわってくらいあなたは僕の抱く今をかるく笑い飛ばす

その鈍感さやその無神経さが僕を逆に生かすんだ
明日へ明日へとばすんだ
背中を背中を押すんだよ

やがて時が経って
大人になれば
当然 別れの時はおとずれるから心構えはしなくちゃね
サヨナラの日は思ったよりはやく僕に母におとずれた

悲しかったけどそれ以上に強くなるのよってあの言葉が僕の中に広がる宇宙をさらに引き伸ばした

がんばるよ

傷ついて 傷ついて
無理のない程度に傷ついて
やさしくやさしく傷ついて
重なった傷跡がやがておまえにおしえてくれる
人生という時間のすばらしさが
時を重ねタワーみたいに築き積み上げた日々を見上げればなんとなくわかるだろう
そう母は言ってお星さまになったとさ
悲しいから他人ごとでゆるして 流させて
今は目をとじ悲しみ受け入れ次のステップ踏めるように
白い無意識の中に閉じ込めさせて
鍵を掛けた部屋
一人にさせて

水平線上に消えた母の面影に手を振って
事実は事実として引き出しにしまうよ
それにばかりさいなまれ母を悲しませないようにお望みどおり強くなって生きていってあげましょう
生きてやるんだ
意地でも
是が非でも

宛も行く先もなにもないけど空に空に空に点々とカモメのように小さな夢を描いてく
地図を描いてく

かならず完成させるよ
母と僕の夢の地図
母がくれたこの真っ白な地図を手に行くぜ
少しやっかいな自由の地図を握りしめ明日までちょっくら旅に出る

こんな運命だけど素晴らしい
いつか僕もと知りながらも行こう 涙が乾いたら行くのさ。

2009/02/14 (Sat)

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