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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3687] あの空いっぱい
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


もしこれまでの人生が何ひとつ楽しくなかった人だけが死ぬとき神様に願い事ひとつ叶えてもらえるとしたら僕はあの空いっぱいの幸せを世界に降らせたいな
私利私欲はもうたくさんさ
きれい事を並べて嫌みったらしく思われてもいいんだ
ただこの地球いっぱいの笑顔を見たいだけさ
テレビや街角で

きれいな花だけが得をするこの世界で醜い色の花に幸あれ
そう思えたら僕は明日からも今よりもっとやさしい人になれるさ
楽しみだな

小さな光だけでこんなに笑える
今の自分が一番好きだな
昨日の欲望におぼれていた醜い自分が脳裏をかすめる 吐き気がする
醜い人と決まるのは顔じゃない容姿でもなく心さ
だから顔や容姿が醜くたって心がきれいなら
心は容姿や顔や性格とは違って見えないからこそ偽りなくしてわたれないことも事実だけど
それでも見えなくても見えなくても物陰で精いっぱいやさしい人であれればいい
一生光が当たらなくてもいい
気にしない
目的はそうじゃない
企みも策略もない

ただあの空いっぱいに僕も笑顔を浮かべたい
それだけだよ
命をかけて誓うから
どこにおわすか神様…

空よ 大地よ
僕は花になる
夏この空いっぱいに咲く大輪のように
見えなくても
誰かの心で光っていたい
そっと 静かに

物憂げに縁側で眺めてる花火
僕の手にあるのは安く小さな線香花火
それでも良いんだと笑える僕はたぶんこの上なく幸せ 満ち足りた生活の果てにいる
他人の生活やめまぐるしい世の中に流されないように
僕はしゃんと背を伸ばして大地に足をつけて生きていくのさ
力強い一歩を今日も踏み出すんだ
前進あるのみ

あの夜空いっぱいの星のような輝きを
この胸いっぱいに吸い込んだ 肺はまるで水風船のように膨らむ

あの空いっぱいに羽を広げてお手頃な宝石を抱く
望んでた正夢の中に立っている。

2009/02/22 (Sun)

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