詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
影さえも入れない影よりどす黒い混沌を探して
いろんな場所を歩き続けた 誰も居なさそうなマンホールの中を覗いたり
影の薄い人にあこがれて
完全とはいかなくてもギリギリ影の見える人と友好を結ぶ
そんなキチガイみたいな世界に僕は染まりたかった
少しでもこの平行線且つ常識まみれの世界でふしぎを見たかった
愛じゃもう満たされない
いつ叶うかもわからない夢じゃもう待てない
だから僕はきれいなだけの光よりなにか神秘的な闇に惹かれた
なにも見えなくはない
目を閉じればいくらでもイメージは広がる
マンガより活字ばかりで埋め尽くされた小説を読む
絵にばかり期待して活字にふれることがなくなるから
僕はあえてなにも見えない闇の中でイメージの光を見いだす
誰に軽蔑されてもいい
親に勘当されてもいい
闇は唯一の僕の居場所
相応しく似合わしい場所だ
マイホームより深い安らぎはそこにある
きっと
光を求めれば闇は濃くなる
ならば僕は闇に飛び込む
同化するように
僕は闇に染まる
だから惹かれて惹かれて僕はその中で気持ち悪いくらいにんまり微笑むのさ
青空を見上げたって変わらない雲の流れがつづくだけ
ならば
僕は闇に身をゆだねる
幸せの中 微笑む
悲しみも見えないから楽だと 微笑む
よけいな喜びも見れなくなるけど
それでも 微笑む
僕はもう 光にはかえれないし太陽の下の光をあびれない
闇の住人だから。
[前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -