詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
涙落ちたら誰もがゆるした幼いあのころはもう終焉をむかえたのだ
もう誰も僕が泣いていてもなぐさめもくれない
ひとりぼっちが好きなわけじゃないけどどういうわけかいつの間にかこんな暗闇にいるんだよ
ここにいれば痛みもせつなさもぜんぜん平気だと笑ってる自分が悲しいわけじゃない
ただ笑うしかないだけ
こたえを探しても
問いかけられても
ヒントらしき何かを与えられても
なにもわからない
なにも見えない
こんなに歳を重ねても無駄だったよ
でも
ひとつだけ
わかったことがあるというならそれは生まれた悲しみにもまさる深い喜び
手のひらにこぼれた涙の粒がほらまた僕にあたたかいぬくもりをくれる
血が通ってるからこそ痛い 悲しい 切ない
こんな気持ちはずっと好きにはなれそうにないけれど
心の中をからっぽにして瞳をとじればなんだか心地いい時間が吹き抜けてゆく
悲しくもある世界
うれしいこともある世界 誰しもその比率は平等なんだろうか
悲しみきれず
喜びきれず
つづいてゆく日々はそんな矛盾したままの気持ちさえ明日へはこんでく
たとえようもないほろ苦さとともに僕を今日も後ろからぴったりつけてくる
夕暮れが赤く空をいいぐあいに焦がしたらいつものあの場所で今日を振り返りましょうか
死にたいと時々思うけれど生きていればみんな思うことじゃないかな
そんな気持ちに雨は降る
だってこの世界はそのくらい冷えきった冬の惑星
言いたいことさえまとめられないまま日々は続いてく
回り続ける時間に
揺れ動く朝が重なればまたふたたびはじまる天国にも似た生易しい地獄
天国にもらしからぬ
地獄とも言いきれぬ
そんな場所で僕はいろんなこと思うけれど君はどう思うのかな
聞かせてよ
涙落ちたら
そのあとで
聞かせてよ…
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