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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3830] 夕陽と月とわたしの歌
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


振り返れば僕
ずいぶん長い道のりをこの身ひとつで歩いてきたんだな
悲しかったこと
うれしかったこと
生きていてよかったと思うこと
生きてきて失敗したと思うこと
たくさんあるけれどどちらもこたえじゃないな
いまのところは
笑ったり泣いたり
半々に心を引き止めてる

笑えなかった今日もところどころ探せば笑ってしまうような場面あったでしょ
だからさ笑えなかった今日も捨てたものじゃないはず
どんな今日だって生きていればかならずお日さまのしたまで行けるから
我慢と忍耐をくり返して歩いていこう

早く今日 終わらないかなとかくだらない思いさえ大切に大切にしよう
そんな気持ちが人をあたたかく照らせる

今日はさんざんな日だったなと自分から涙をさそうような気持ちでいるよりずっと
そんな今日だったけど自分なりに頑張れたと思える心が自分を闇から救うゆいいつの命綱だよ
どうせ正しさなんてどこかの誰かさんがつくったつくりものさ
そんなものより自分を確かに信じていこうじゃないか
そうだ それがいい
すばらしい

そして今日もそんな気持ちにはこんでいけたらごほうびみたいに空に真っ赤な夕陽が立ちつくす君に寄り添うだろう
やがてきれいな月が君の足下にあたたかい灯りを落とすだろう

それが涙よりあたたかいぬくもり
その熱で涙をかわかしてくれる
心なしか笑ってるような夕陽が月が愛しくて抱きしめたくなった

そんな夜さえ明けてしまえば思い出すのは遠い先
振り返れば夕陽
見上げれば月
そんなふうに何遍もくり返すだろう
ばかみたいだけど
ばかじゃないんだね
僕ら すごく悲しい生き物なんだ

気づいても気づかないそんな小さな隙間に今日はある
そしてそんな今日で生きる僕はもっと小さな 針の穴ほどの命
されど大きな鼓動で人は様々な今日を歌い上げる。

2009/03/29 (Sun)

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